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分かれ道の前で書類を手に考える人。相続登記を自分でやるか専門家に頼むかを選ぶイメージ

相続登記が自分でできないケース|失敗例と司法書士に頼むべきとき

相続登記は、条件がそろえば自分でできる手続きです。一方で、「がんばってみたけれど法務局で書類を返された」「途中で手に負えなくなった」という声があるのも事実です。

大切なのは、最初に「自分でできるケースか」を見極めること。難しい事情があるのに無理に進めると、時間も手間も余計にかかってしまいます。この記事では、自分でできる場合と専門家に頼むべき場合を整理し、ありがちな失敗例までやさしくお伝えします。

この記事は一般的な情報をまとめたものです。個別の事情によって扱いが変わることがあります。判断に迷うときは法務局や司法書士にご確認ください。


まずは結論:自分でできるのは「シンプルな相続」

ざっくり言うと、次の3つがそろっていれば、自分での相続登記は十分に現実的です。

  • 遺言書がない(残っていない)
  • 話し合い(遺産分割協議)で取得者を決める
  • 相続人どうしでもめていない

たとえば「父が亡くなり、母と子で話し合って、母が実家を相続する」といったケース。相続人がはっきりしていて、誰がもらうかも合意できていれば、書類をそろえて申請するだけです。

逆に、ここから外れる事情があると、手続きの難易度が一気に上がります。次で具体的に見ていきましょう。


自分での手続きが難しいケース

以下にひとつでもあてはまる場合は、自分でやるより専門家に頼んだほうが安全です。無理に進めると、やり直しや思わぬトラブルにつながることがあります。

ケース なぜ難しいか
遺言書がある 遺言の内容に沿った登記が必要。検認や遺言執行者の有無で手続きが変わる
数次相続(相続が二重) 相続の途中で別の相続人も亡くなり、関係者が増えて複雑になる
相続放棄をする人がいる 家庭裁判所の手続きが関わり、相続人の範囲が変わる
相続人どうしでもめている 遺産分割協議がまとまらず、書類に全員の合意が得られない
判断が難しい相続人がいる 認知症などで、協議に成年後見人などが必要になることがある
行方不明・長期海外の相続人 連絡や必要書類(署名・印鑑証明に代わる書類など)の用意が困難
相続人が複雑 前の結婚の子、認知した子などがいて、相続人の確定そのものが難しい

これらに共通するのは、「相続人を確定させる」または「全員の合意をそろえる」段階でつまずきやすい、という点です。ここは相続登記の土台になる部分なので、不安があるなら早めに専門家へ相談するのが安心です。


ありがちな失敗例

自分で進めた方が実際につまずきやすいポイントを挙げます。「できないケース」ではなくても、こうした見落としで手戻りが起きがちです。

  • 戸籍の取り漏れ … 亡くなった方の戸籍は「生まれてから亡くなるまで」連続してそろえる必要があります。転籍や結婚で本籍が変わっていると、過去の戸籍が別の役所にあり、1通でも欠けると相続人を確定できません。
  • 書類の不備で返される … 申請書の記載ミス、添付書類の不足、押印や日付の誤りなどで、法務局から補正(やり直し)を求められることがあります。
  • 評価額の取り違え … 登録免許税は固定資産税評価額をもとに計算します。「課税標準額」など似た数字と取り違えると、税額を誤りやすいので注意が必要です。
  • 対象不動産の漏れ … 私道部分や、登記簿に別で載っている土地など、対象の不動産を一部見落とすと、その分だけ名義変更が残ってしまいます。

こうした失敗の多くは、事前に必要書類と手順を正しく把握していれば防げるものです。逆に言えば、シンプルな相続なら、丁寧に進めれば自分でも十分に対応できます。

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司法書士に頼むときの費用と流れ

「難しいケース」にあてはまったら、無理をせず専門家に相談しましょう。相続登記を扱う専門家は司法書士です。

費用の目安

  • 司法書士に依頼:報酬の相場はおおむね7万〜15万円(+実費)
  • これに加えて、登録免許税(評価額×0.4%)と書類の取得費などの実費がかかります

費用は不動産の数や相続関係の複雑さで変わります。複数の事務所で見積もりを取って比べるのも良い方法です。

頼むときの流れ

  1. 司法書士に相談し、事情を伝えて見積もりをもらう
  2. 依頼を決めたら、必要な戸籍・書類の収集を進める(代行してもらえる場合も多い)
  3. 遺産分割協議書や申請書を作成してもらい、内容を確認して署名・押印
  4. 司法書士が法務局へ申請、完了後に書類を受け取る

もめている・相続放棄が必要などで家庭裁判所や交渉が絡む場合は、弁護士など別の専門家への相談がふさわしいこともあります。まずは状況を整理して、適した相談先を選びましょう。


まとめ

  • 自分でできるのは、遺言なし・協議で取得者を決める・もめていないシンプルな相続
  • 遺言書がある/数次相続/相続放棄/もめている/判断が難しい・行方不明の相続人/相続人が複雑なケースは専門家へ
  • 失敗で多いのは、戸籍の取り漏れ・書類不備・評価額の取り違え・不動産の漏れ
  • 司法書士に頼むとおおむね7万〜15万円(+実費)。家庭裁判所が絡むなら弁護士も検討を
  • 無理に進める前に、まず自分でできるケースかどうかを見極めるのが安心への近道

「うちはどっちだろう」と思ったら、まずは負担の少ないところから。対応診断 で、自分で進められるかを確かめてみてください。


出典:法務省「不動産登記法の改正(相続登記の申請義務化)」/法務局の案内ページ。※施行2024年4月1日。本記事は一般情報であり、個別の法的助言ではありません。

(司法書士監修:※監修者確定後に氏名・登録番号を記載)

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